おなかの子が危ない ~歯周病と妊婦~
妊婦さんは歯周病にかかりやすい。
歯周病というと「中高年のおじさまがかかる」と思われがちですが、実は妊婦さんのほうがかかりやすいのです。というのも、妊婦さんはつわりのせいで、歯ブラシをお口に入れるだけで気分が悪くなり、お口のケアがおろそかになり、歯周病の原因となるプラークをためやすくするからです。また、歯周病菌の中には妊娠中に出される女性ホルモンを栄養源にするものがあり、歯ぐきに炎症をおこし、歯周病を発症、悪化させやすいのも事実です。
あかちゃんが・・・
歯周病は初期・中期では痛みもなく、特に問題ないように思われがちです。しかし、歯周病菌の魔の手は妊婦さんだけでなく、大切なおなかの赤ちゃんにおよんでいるのです。事実、世界各国のさまざまな論文で、「妊婦の歯周病は、飲酒、タバコよりも早産のリスクを高める」と報告されています。たとえば、1996年に米国で行われた妊婦や出産後の母親を対象とした調査では、母体が重い歯周病を患っていると早産で低体重の赤ちゃんが生まれる危険率は5.9倍、初産では6.7%にも達するという報告がされています。
また、チリでは、400人の妊婦を対象にした研究で、歯周病治療を行うと、早産や低体重児出産の割合が約5分の1に減少したという報告があります。妊娠がわかったらまず歯科にかかり、歯周病のチェックをすることが、早産の危険を回避することに大いに役立つといえるでしょう。
妊婦さんのための歯周病予防
◎歯磨きをしっかり:
これ以上の予防方法はありません。ただし、つわりがひどいときは歯磨き粉の味が苦手になったり、歯ブラシを口に入れると戻しそうになったりします。
そんなときはせめてうがいをこまめにすることをおすすめします。
◎たばこはダメ
胎児によくないだけでなく、たばこは歯周病を早めてしまいます。また、ご自分で喫煙されなくてもご家族の方の副流煙でもそのリスクは高まります。
◎まずは検診を
妊娠したいと思ったときや、妊娠がわかったときはまずは歯医者さんで検診すること強くお勧めします。決して遅すぎることはありません。